同居している姑が、割と牛肉が好きなので、「すき焼き風煮」が登場することが多い。
姑は少食な上に好き嫌いも激しく、鶏肉を食べないので、肉と言えば、牛肉か豚肉。
若い頃から総入れ歯で固いものが苦手なので、どっちかというと牛肉に偏っている気がする。
義伯母(姑の義姉)が関西出身だと言うことも、影響しているかもしれない。
私の実家は家の近くに小さなスーパーAが一軒、徒歩10分程度の駅前に農協のスーパーが一軒、Aの支店が一軒、その後私鉄のスーパーが出店、というような環境で、面倒だから、いや、義理もあったが、特に不満もなく、ほぼほぼなんでもAで買い物するというような状況だった。
そう言えば、他にも酒屋があって、魚屋があって、豆腐屋があって、八百屋風の小さいスーパーもあったな。
子供の頃のほうが、規模は小さくても便利だった。
多分、海のそばで、民宿が栄えていたからだろう。海水浴客が多い時代だった。
今は、魚屋も八百屋もAも農協もみんな廃業した。
話がそれた。
まあ、とりあえず、私は、肉と言えば、豚か鶏で育ったのだった。
Aに牛肉があったかは記憶にないほどだ。
きっとあっただろう。
特に牛を食べたいとは思わずに、すき焼きなぞ食卓に上がることもなかった。
青椒肉絲も豚肉で満足だった。
で。
大人になって、友人や彼氏と焼肉を食べるようになったので、牛も食べられる。
むしろ焼肉はやっぱりご馳走だ。
安い牛丼だって好きだ。
牛タンも好きだ。
しかし。
姑の作る「すき焼き風」を食べると、脂っぽくて食べたくないと思ってしまう。
脂身が多い部位なのかもしれない。
一口でげんなりする。
細切れで、食べやすい大きさだけれど。
また牛肉か、と思うが、一口食べる。
いやもういらないな。
一緒に入っている糸蒟蒻とか好きだけど、やっぱりあくどい気がする。
牛肉が好きでないのか、姑の出す牛肉が好きでないのか、とにかく姑は好きではないのだ。それだけははっきりしている。
なんだかわからなくなってきた。
そうだ!美味しい牛肉を食べに行きたい。
牛肉は外食がイイよね。