仕事帰り。
バス停前のトンカツ屋が気になって仕方がなかった。
今日は旦那もいないし、ヒレカツの一枚も買って帰ろうか。
美味しそう。
でも今日はきのこと豚肉を消費する予定。
カツには惹かれるが、やめておこう。
しかし、美味しそう…。
ここは欲望に従うべきか、否か。
なんとか振り切って帰宅すると。
「ヒレカツ買ってきたー」と姑。
スーパーのヒレカツが待っていた。
そうきたか。
「プリン食べたいなぁーと思うと、お母さんが買ってきてくれてることがよくあるの!」
昔、同僚が言っていた。
「親子だねー」って笑っていたけど。
まさか。
姑とこうなるとは。
同居して割とすぐこの現象が起きた。
なにか買って帰ると、ダブるのだ。
今週も買い出しで餃子を買ってきていたのだけれど、帰宅すると、餃子が焼かれて出てきた。
うちはキッチンだけは一階と二階にあるので、冷蔵庫は別々。
だから、私の冷蔵庫に餃子があることを、姑は知らない。
たまにプリンを買ってくれば、「プリン買ってきたの!」
必ず旦那の分と、3個買ってくる。ウチは3人家族だ。
姑は少食なので、「いらない」とも言えず、ノルマのように消費する。
帰宅が遅くなりがちなので、平日のデザートは食べきれなくて正直困る。
私と姑は親子ではない。
正直言って苦手なタイプなので、なるべく近寄らないようにしている。
食べ物の好みも違う。
なのに被るのだ。
これはきっとテレパシーとか以心伝心とかではない。
以心伝心なら買ってあるのが伝わるはず。
きっとこの家が欲しているのだろう、と思っている。
バカバカしいが。
いつも気にならないトンカツが、どうしても気になったのだ。
いったい、どういうことなのか、誰か教えてほしい。
たとえダブっても、親子なら笑えるのに、全然笑えない。
なんだかなぁ、と思いながら、スーパーのヒレカツを食べる。