膝が痛いとかぼやいてばかりのヘタレが、どこの山に行けるのか。
正直、どこにも登れない気がする。
ある日、尾瀬沼ヒュッテから、絵葉書が届いた。
尾瀬沼ヒュッテなんて泊まったことない。
「今年も御池ロッジは閉館してるけど、尾瀬沼ヒュッテは営業しますよ」
御池ロッジは、初めて泊まった山小屋で、2019時の5月末に利用した、檜枝岐村公共の宿。
じゃ、尾瀬に行くか、と。
せっかくだから、尾瀬沼にするか。
一昨年は雪で一周出来なかったらから、尾瀬沼一周してみるか。
登らないのもいいじゃん。
登れる自信がないし。
テントもいいけど、絵葉書くれたし、ヒュッテに泊まるか。
ってことで、ダイレクトメールにのせらて、2021年9月22日から2泊3日で尾瀬に行ってきましたよ。
山小屋泊だから、シュラフもマットもいらないし、軽荷でイケるんじゃね?
40Lのザックで余裕〜。
と思ったら、
コーヒーミル持てる?
水持てる?
と、なにやら隣から荷物がくる。
なんだかんだと、結局10キロになってしまった。
こんな荷物背負って、歩けるのか不安…。
行動食を旦那に持たすと、好きな時に食べられないので、オヤツは自分で!
尾瀬沼いいけど、福島遠いよなぁ。檜枝岐いいとこだけど…ってグズグスする。
旦那の提案で、大清水から入ることに。
群馬から入れるんじゃん!
一ノ瀬まで乗合バスがあるんで、もちろん乗る。
とことん楽をしたいヘタレ。いや、体力温存ですよ。
一ノ瀬からは、コースタイム2時間10分で宿に着くらしい。
10キロ背負って、一ノ瀬からGOです。
途中、岩清水で冷たい湧水を飲んだら、生き返りました!
って、死んでたんかい?!
行動中の水分を自分で持つのを忘れたので、イチイチ旦那からもらわないと…ダメじゃん。
あー、ほんと生き返ったわー。
命の岩清水…。
鳥の声を聞きながら、えっちらおっちら三平峠を越えて、尾瀬沼まで来ましたよ。
燧ヶ岳を眺めながらのコーヒータイム。
ビスコ最高。
のんびりだらだら歩いて、尾瀬沼ヒュッテに着きました。
玄関先の望遠鏡、星空が見えるのかと夜に覗いてみましたが、まっくろ。
帰宅してから知ったのですが、燧ヶ岳に向いているらしいです。笑
今なら空いてるよ!
の言葉にひとっ風呂。
風呂上がりに
生ビールが飲める幸せ〜!!
5時に夕飯。
揚げたての天ぷらに、檜枝岐名物の断ち蕎麦!
檜枝岐のお宿は美味しいよね〜。
今回はのんびりダラダラしようと、文庫本を持ってきた。
んが、あっという間に眠くなる。
恐るべし、司馬遼太郎。
8時就寝。
5時に起きて、6時に朝ごはん。
7時出発。
連泊にしたので、荷物は置いて、尾瀬沼を一周しますよ。
正直、舐めてました。
沼の周りを、ずーっと木道で歩くんでしょ。
と思っていたよ。
意外とアップダウンあるし、沼広い…。
朝寒かったので、厚着をしていて、熱くなって喉が渇いてヤバイ。
とりあえず脱ぐ。
んが。ポカリは旦那が持っている。
イチイチ旦那に「喉渇いた」と声をかけるが、全く止まる素振りがない。
後で聞いたら、聞こえてなかったらしい。
なんとか沼尻へ。
沼尻休憩所は閉鎖中。トイレも使えない。
ヒュッテで聞いてきた、ヒツジグサの紅葉を見て、コーヒータイム。
沼尻から三平下へのコースは、木道がすべってヤバイです。
ストックなしだと転びます。
一昨年行った尾瀬ヶ原の木道は、素晴らしく整備されていましたが、今年歩いた福島側は、整備が追いつかないところがあって、これはコロナのせいかも知れないですね。
ストックあると安心です。
でもこれだけの木道を作って維持するって、ほんと大変!凄すぎると思う。
へっぴり腰になりながら三平下へ。
なんか途中で気分が悪くなって、
ちょっと休憩したい、と訴えても、この先のポイントで、と言われて、キツかった。
この先のポイントは遠いので、途中で無理矢理止まって水分補給しました。
さらに進んで、長蔵小屋の無料休憩所で、宿に作ってもらったお弁当を食べます。
おにぎり2個と、なぜかふりかけ。塩分??
燻製卵に魚肉ソーセージ。
デザートはようかん。
素晴らしい〜!
お湯を沸かしてインスタントスープも付けました。
一昨年の5月に来た時は、座る場所に苦労したのに、貸し切り…。
今日は祝日ですよ?
新しいビジターセンターをちらっと覗いてから、小淵沢田代へ向かいます。
人が少なくて、静かな湿原らしいよ!
傾斜がなだらかな、大江湿原側から。
クマ除けに鐘を鳴らしてGO!
さらに静かな森の中に入って歩いてみたら気持ちいいー!
ちょっと登るけど、こういうコース好き!
と気分良く登っていくのは、ぬかるみに動物達の足跡を見るまで…。
明らかに鹿。
明らかに熊。
熊?!
ひぃーー!
こあい…。
しかも誰もいない…。
無言になる。
思ったよりぬかるみがひどく、明瞭だけど狭い人気のない登山道。
こんなとこに連れてきちゃってごめんよ、旦那。
と心の中でつぶやきながら、登る。
意外と登る。
出た〜!
小淵沢田代、貸切〜!!
ってでも、木道が立派なのは、この道標まで。
この先はちょっと、旦那が乗っても大丈夫なのかと不安に…。
せっかくだけど、その先は諦めて引き返すことに。
あとはちょっと登って、尾瀬沼ヒュッテの裏の、キャンプ場に降るだけ。
な、はずが。
結構登るじゃぁーん!!
藪がすごいし〜!!
上から人の声が聞こえてきた時は、ほんとびっくりしたよ。
だって全然人に会わなかったから。
ピークですれ違ったのは年配のおふたり。
余裕があれば、
この後ぬかるみすごいです!気をつけて!
とか言えたのになぁ。
あとで旦那に、
「休憩もせず、水も飲まず、口も聞かず、何を考えて登っていたのか?」と聞かれました。
いやもう、熊怖いのと、人がいないのと、旦那に申し訳ないので、必死でしたよ!
たぶん、ガツガツ登れたのは、私が先行したからだと、後から思いました。
でも、「あなたのおかげで山登りっぽいこと出来て良かった!」
って言われた。
登りたかったらしい。
燧ヶ岳とか??ちょいちょい登りたそうなことを言ってたよな…。
でもあんなコースでも楽しんでもらえたみたいで、ほんと良かった。
あと、「今日は良く頑張ったね!」と言われました。びっくり。
まぁ、午前中になんでもないとこで具合悪くなったりしてたんで、午後頑張った感があったのかも。
前回近所の山に歩きに行った時、動悸がするのに出掛けて、やっぱり全然ダメだったのもある。
あれは至仏山以来のひどい動悸だった…。
ヘタレのくせに、無理しちゃって。
だって山に行きたかったんだもん。泣
ドロドロの靴を洗って、一風呂浴びたら、
夕飯のメインはハンバーグ!
デミグラスソース風で美味しかった〜。
星空を見ながらウロウロしたり、朝焼けを期待してウロウロしたり。
尾瀬沼満喫。
山小屋泊だから、寝る時寒くないし!
テントも楽しそうだけどね。
名残惜しいけど、帰りますね。
帰りは下りメインだから楽ちん!
でも飛ばして膝を痛めないように気をつけます。
帰りのお楽しみは、
汲みたての湧き水で淹れるコーヒー!
最高〜!
みんなここでお水飲んでいけばいいのに…。
一ノ瀬まで来たら、サポートタイツ脱いで、バスに乗りますとも!
いや、楽ちん。
こっちも貸切。
大清水のお土産物やさんを覗いたら、旦那が欲しがっていたTシャツを見つけました。
三平下では気に入った色がなかったので、諦めていたところ。
もちろん買いました〜。
コロナのせいか、品揃えもイマイチでさみしーくなってたけど、寄って正解。
なんか旦那は、お土産にTシャツ買うの、好きかも。岳沢でも買ってたよ。
私は尾瀬の山小屋バッチも買いました。バッチたくさん売ってた!
無事に下山できたので、ほっとしました。
尾瀬沼楽しかった〜。
また尾瀬に行きたいな〜。
ヘタレがゆっくりゆっくり歩いて、なんとか帰って来たけど、案外コースタイムは遅くなかったと、旦那に言われました。
休憩多かったけどね〜。笑
山小屋泊で、余裕のある計画で、ゆったり歩けたのが良かったのかも。
ヘタレだけど、ヘタレなりに少しは歩けるかも?
休み休み行けばいいんじゃね?
ガツガツ歩けなくても、ヘタレなりの歩き方でやってみよう。と思いましたよ。
次も頑張ろ〜。